モデル SHIHO

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SHIHOさん(中編)

インタビュー中編では30代に入ってからのSHIHOさん自身の変化、「内面と外面のトータルの美しさ」について、SHIHOさんにとって魅力的に歳を重ねることとは?、SHIHOさんのオンとオフの境界線、「表現」に至るまでの日常の大切さなど様々なことを伺った。
(聞き手・写真:近浦啓(クレイテプス)/ 収録:2007年12月12日)

"じっくりと「今」を感じる"

—SHIHOさんは30代に入って、10代の頃や20代の頃とは見える景色や自分の内面などが変わってきたということはありましたか?

慌てなくなりました(笑)。結果を急がなくなった気がします。以前はすぐに結果を求めるところがあったんですが、今はじっくりと「今」を感じることが好きですね。「じっくり、ゆっくり」が今の気分です。人間関係でも物事でも結果を急ぐのではなくて、その過程も楽しみながらやっていければいいかなという考え方になってきました。ちょっと余裕が出てきたのかもしれないです。

—年齢を重ねるごとに考えが変わってきたんでしょうか?

はい。例えば同じような失敗を繰り返したりしながら、「こうすればこうなる」とわかってきたし、悪いことがあったら良いことがあるというサイクルがあることも見えてきたんです。そういうこと全てを受け入れられるようになった気がします。

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結局、良いも悪いもなくて
自分に起こることは、必要だから起きている
だから、それをきちんと受け止めて、
感じて、選択していく
それを積み重ねていけば
答えは自然に見えてくるから
いつも自分に正直に、素直に生きよう


WHO AM I?WHAT AM I? (マガジンハウス、SHIHO 著)

"自分が変わるか、そのことを受け入れるか、それしかない"

—失敗を自分でちゃんと受け止めることは難しいですよね。人のせいや周りの環境のせいにしてしまうことは往々にしていろんな人にあると思うんです。最終的に自分のせいにできるかどうかということがポイントのように思っているんですが。

そうですね。結局同じことを繰り返さないためには、自分が変わるしかないということに行き着くと思うんです。自分が変わるか、そのことを受け入れるか、それしかないかと思うんです。

—先ほどお話の中で「美しさ」という言葉が出てきましたけど、SHIHOさんにとって「美しいこと」というのは例えばどんなことでしょう?

最近思うのは、人のために何か出来る人というのは、「美しい」という表現が合っているのかわかりませんけど、すごく素敵だなと思います。なかなか出来ないことですし。

"内面と外面のトータルの美しさを追求する"

—小林社長の本の中でも何度も書かれていましたけど、おそらく内面の部分と外面の部分というのは、やはりリンクするのではないかと思うんです。内面の美しさが備わってこそ、初めてトータルで美しいというように思えるんじゃないかと思います。

その比例の度合いは歳を重ねるごとにだんだん変わってくると思うんです。20代は内面がいまひとつでも、若さがあればOKだと思うんです。だんだん年齢と共に外面が衰えてくる程に、内面が磨かれていってないとバランスとしての総合評価が変わってきますよね。
私も以前はそんなに努力している実感がなかったんですけど、30代になってやたらと努力してますよ(笑)!努力しなきゃ不安になってくるんでしょうね。この職業をやっているうちは、「内面と外面のトータルの美しさを追求する」ということは自分の中で絶対的な目標ですね。

—SHIHOさんはモデルという職業ということに対する愛着というのは、やはり強いんでしょうか?

それほど強くもないですよ(笑)。ただ、自分にしか出来ない表現や自分の良さ、それを発揮できる職業じゃないかと実感しています。

—「モデルの」SHIHOさんというより、モデルの枠を越えた「SHIHOさん」という領域が存在してるような気がすごくしてるんですよ。

ありがとうございます。嬉しいですね。

—僕も数ヶ月前に30代になりましたけど、2ヶ月位年齢を書く時に、つい2桁目を間違って2と書いてしまっていたんですよね。SHIHOさんが30代になって、一番変わったことってどんなことでしょう?

楽になりました。今、30代の中でもまだ1歳なんですよね。20代だと後半になるにつれて、「こうしなければいけない。」「30代までにこうならなきゃ。」というように、何かに追われている感覚が大きかったんですよね。でも30代になってみると、まだ30代のうちの1歳。そう考えると、まだ若いし、40歳になった時に理想の人になれていればいいなと思えたんです。出来なくて当たり前、これから様々なことを養って成長したいと思ってます。だから、すごく楽になりました。30代大好き(笑)。
これからも困難な事もとても多いだろうし、20代と違っていろいろなことが起こると思うんですけれど、それもまた30代ならではの自分の深みになると思うから、これからがすごく楽しみなんです。

"魅力的に歳を重ねる"

—女優さんでもモデルさんでも年齢をあまり公にせず、出していてもそれほどオープンにはしない方も多いと思うんですけど、SHIHOさんはわりと30代になられた時に話題にもされていたし本にも書かれていましたよね。そういう自然体なところがとても素敵だなと思っていたんです。

ありがとうございます。日本だと女性は若い方が良いという認識が多いですけれど、ヨーロッパだと本当に歳を重ねるごとにすごく魅力的な女性が多いです。例えばイタリアのマダムがとても貫禄があったり、フランスの女性も40代、50代で色のある着こなしをされている方は、とても素敵ですし。それはその人にしか出せない貫禄や美しさだと思いますし、その時、その人にしか味わえない年齢であり、歳の重ね方なのだろうと思うんです。そういう風に歳を重ねていく自分を想像すると、今からとても楽しみなんです。
そのためには、女性だけじゃなくて男性もそういうことをケアしてエスコートしてくれないとと思います。そういう男性がいて初めて、女性も頑張ろうと思えると思うんです。
私は魅力的に歳を重ねることが大好きです。自分自身がそうなりたいと思い続けていないとなれないと思うんです。こう思えるのは「モデル」という職業が手伝ってくれているから。モデルをしていなかったら、こうは思わなかったし、モデルという仕事をしてるからこそ、それが楽しみであり、目標になっています。

—職業としてのモデルという「オンの場所」とSHIHOさんのプライベート、「オフの場所」との境界線はありますか?

はっきり分かれてますね。終わった途端に気を抜くというのではなく、時間の過ごし方という点です。オンだと自分のための時間でもありますけど、オファーされて仕事をしている「誰かのための時間」。オフは完全に「自分のための時間」なので、ジムでトレーニングをしたり、美味しい食事をしたり、「自分が喜ぶための時間」。そういう意味ではっきり分かれてます。
ただ、オンで過ごした時間がオフに活かされ、オフで過ごした時間がオンに活かされていて、お互いの相乗効果になっているんです。お互いがお互いの時間をより良くするために過ごしているという感覚があります。どっちも上げていって、"PersonUp"してかないと(笑)、だめですよね。行動という面でも社会的に責任ある行動をしなければいけないのは当然ですし、睡眠や運動・食事など普段の自己管理もしっかりしていないとオンにベストの状態では出られないので、普段から気をつけています。そして、オンでとても良い仕事ができると、プライベートでもすごく楽しめる。そういう風に上手にお互いの時間のバランスを取っていくことを常に考えています。

"どんな生活をして、どんなものを見て、どんな事を感じてるか、そういうことが大事です"

—前々回、テニスプレーヤーの伊達公子さんにインタビューをした時に印象に残った言葉がありました。それは「コートに入るのが勝負じゃなくて、コートに至るまでの日常が勝負、そこから勝負をかけておかないとコートでは出せない」ということです。そのお話に近いものがあるかもしれないですね。

結局コートに立つ時だけが試合ではないんです。コートに至るまでに、日常をどう過ごし、どう準備し、どう整えるかということから勝負が始まるんです。風邪をひいても自己責任ですし、熱も出せない。そうするとやっぱり今自分がやりたいということを最優先にしなきゃいけないんですよね。

パーソンアップインタビュー 伊達公子さん(中編)

それはほんとに、わかりますね。私の場合は勝負とは視点や意味合いが少し違うかもしれませんが、人が一番自分の力を出すことができて、上手くいく時というのはリラックス状態の時だと思うんです。変に力が入っていたり、気合いが入り過ぎたりすると自分らしくいられないような気がします。どんな時でもそうだと思うんですが、普段どう過ごしているかということが、そういった大事な時に出ますよね。

—SHIHOさんのプライベートや日常の集積みたいなものが出るんでしょうね。

そうですね。きちんと生活して、自分が五感を磨き、バランスのいいベースができていれば、変に焦らなくて済むというんでしょうか。どんな場でも自信を持って仕事ができるんだと思うんです。

—そういうSHIHOさんの日常の積み重ねがレンズを通して、写真や映像に出ていると思います。

写真を撮られるとか、何かを表現する時というのは、服を見せるというよりもそこにいる人の出す空気感や雰囲気をどれだけ見ている人達にイメージさせられるか、見ている人達にいかにイマジネーションを膨らませることができるか、ということだと思うんです。それには、どんな生活をして、どんなものを見て、どんな事を感じてるか、そういうことが大事ですよね。それは常に大事にして心がけています。いつでもそういう空気感や雰囲気をイメージさせられる人でありたいなと思います。(次週、後編に続く)

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