SHIHOさん(後編)
最終話となる後編のインタビューではSHIHOさんが特に映像において表現する時に意識すること、ヨガに夢中になっていったきっかけやヨガから学んだこと、自分を知ることの大事さ、そしてSHIHOさんが自分を知っていくために常に意識していることなどSHIHOさんの魅力の源をいろんな角度から伺った。明日の自分に役立つヒントがたくさん詰まったインタビューとなった。
(聞き手・写真:近浦啓(クレイテプス)/ 収録:2007年12月12日)
"「見せる」というよりも、そのシチュエーションにいる自分をイメージする"
—SHIHOさんにとって、静止画で撮られることと動画で撮られることでは感覚は違いますか?
写真と比べて、映像を撮られることは少ないです。静止画は瞬間の切り取りで、映像は連続しているものですから、スピード感という面で違うという感覚はあります。瞬間が綺麗かどうかと、続いていて綺麗かというのは違いますね。
—CM映像などでSHIHOさんを観ると、写真でのイメージが映像でもそのまま出ていて、すごくナチュラルだなと思います。演技している感じを与えず「SHIHOさんがそこにいる」という感覚があります。映像のために何か努力されていたりするんでしょうか?
いつも「見せる」というよりも、そのシチュエーションにいる自分をイメージします。「見せる」ことに意識を集中するとあまり良いものにならないことが多いです。周りや他のスタッフのことも気にしないようにして、感じることに集中しながらイメージし、撮影に臨むと上手くいきますね。
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海外でモデルという職業はとても確立されている。スーパーモデルという一つの表現があるように、“単に洋服を着る人”というだけでなく、一人の女性として、一人の人間としてクローズアップされている。 (中略) もっと一個人の個性が出てもいいと思うし、それが必要だとも思う。だからこそ、私は、SHIHOという自分にこだわって、モデルも一人の表現者だということを知ってもらいたい。ただ洋服を着るだけじゃなく、もっとその枠を越えて今までのみんなが思うモデルではない、新しいスタイルを築きたい。みんなが抱いているモデルのイメージを覆したい。それにまず、SHIHOという可能性をもっともっと広げていくことが大切。(これからの私)
model;Shiho(ソニーマガジンズ、SHIHO 著)
—そういう時はカメラ自体のことも意識しなくなりますか?
どこから撮られているというのは分かりますが、こんな風に動いてこういう風に見せようとはあまり考えず、本当に自分がそのシチュエーションにいると思い込むようにしてます。
例えばエマールのCMで結婚パーティーの設定のシーンがあった時には、本当にここは友達に招かれたパーティーの場だと仮定して、すごく楽しんでいる自分、そしてカメラは友達というイメージでやりました。宅急便のCMでメールが来たという設定の時も、本当は宅急便の配達の人からメールを受け取るんですが、「大好きな人からメールが来たつもりにしよう」と自分の中でシチュエーションを思い描いて嬉しさを表現しました。
—本当に想像力次第ですね。
その方がいい写真やいい映像になる気がします。見られていることを意識して見せながらやると、やはり「作られたもの」という印象を与えてしまうように思えますね
「SHIHOトレ」の"きっかけ"
—以前、パーソンアップで伊達さんがピラティスを熱心にやられているというお話をされていて、その時にヨガの話も少し出たんですが、SHIHOさんはヨガはどれくらいのペースでされていますか?
そうですね、週2、3回ヨガをやって、週1回ワークアウトをやっています。
—昔からやっていたんですか?
ワークアウトは2、3年前からやっていて、ヨガは3年ほど前からやっているんですが、本格的にヨガに夢中になったのは昨年からです。
—夢中になっていったきっかけは何だったんですか?
「SHIHOトレ」というトレーニングの本を出した時の先生との出会いがすごく良かったです。一昨年までは仕事もプライベートも人間関係もいろいろなことが本当に上手くいかなかったんですね。それで落ち込んでた時にまた別のいい先生に出会ったりして、徐々にはまっていきました。
—そういう落ち込んで精神的にダウンしてる時って、体を動かすことになかなか意識がいかないことが多いような気がします。
とにかく、落ち込んでいる時というのは、その状況にはまっていることすら気づかない位に落ち込んでしまってます。私の場合はとにかく変わりたい一心で、きっかけを探しました。その結果、時間の過ごし方ではないかという結論に至って、まず日常の習慣を変えようと決心したんです。その一つとしてヨガをする時間を持つということがありました。習慣化して繰り返すことで、ヨガに向き合う姿勢が、日常生活に向き合う姿勢と繋がってきました。それで次第に心も体も調子が良くなってきたのでやめられなくなってきちゃったんです(笑)。
"「今の自分を感じる」という習慣"
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理想に近づくためにまずは体を引き締めたい。そう決意して、運動をはじめて、すぐに気づいたことがありました。トレーニングをすると、気持まですっきりして健やかになるんです。はじめて心と体は、つながっていると感じたんです。(p.8-9)
SHIHOトレ(マガジンハウス、SHIHO 著)
—物理的な身体と心ってとてもリンクしてるところがあるんですね。
あると思います。物事が上手くいってない時って心と体がちゃんとリンクしてない時だと思います。それはイコール「自分と向き合ってないということ」だと思うんです。本当にしたいことと今やっていることが違っていたりするんじゃないでしょうか。
例えば仕事で「自分にはこういう才能がある」と思っているのに普段やっている仕事の方向性が違っていて、それで「こんな仕事!」と文句を言いながら仕事をしている人だったり、恋人と上手くいっていない状態を無理矢理上手くいかせようとしてる人だったり。
現状を見つめる、自分を見つめるということを常にしていないと、徐々にズレが生じておかしな方向に行くんですよね。ヨガは常に深い呼吸をするので「今の自分を感じる」という習慣が自然とつきます。自分を見つめる時間が増えて、不思議とバランスが良くなってきました。
"いろんな人と会って、いろんな経験をして初めて、自分というものを発見する"
—今のお話の中で何回も出てきた「自分を知る」ということについてですが、「自分が誰なのか」とか、「自分が何者なのか」「何が好きで何を目指しているのか」、そういったことを知ることはとても大事なんだと思いますが、それって実はとても難しいことですよね?なかなか自分で自分のことは分からないというか。
そう、自分のことが一番難しい。日々、変化していますし。それを知るにはいろんな人と会って、いろんな経験をして初めて、自分というものを発見するのだと思います。人と比べる訳ではないですが、人と話してみて初めて気づくことって多いです。「この人はこう思うけど、私はこう思わないなあ。」とか「私の良さってこういうことなんじゃないかな?」とかそういうことの積み重ねだと思います。人と会う、お仕事をする、いろんな出来事に遭遇する、いろんな洋服を着る、その中でこれは好き、これは嫌いという感情に気がつく。そういうことを繰り返して次第に自分が発見できます。
あと私は、ネガティブな感情は全て排除しています。そうすると自然に自分の状態が上向いてくるんです。人との関わり方も物事や考え方もポジティブ思考で“PersonUp”してます(笑)。
—自問自答しているだけではわからないですもんね。
そうですね。心の中で考えてばかりいても何の答えもでなくて、実際に体験して初めてわかるものだと思います。いろんな本を読んで理解はできても本当の意味での実感はできてないと思うんです。とにかく行動するしかないと思いますね。出来るだけいろんな人に会いたいし、積極的に行動しながら、次に自分はどうするべきかを決める、いつもハングリーに楽しみながら成長していきたいです。
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