女優 山咲千里

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山咲千里さん(前編)

女優・山咲千里さん。2006年から始めたブログ「美神伝心」ではその美意識や日々の美容に関わる体験を日々発信し、「美」に関心の高い女性達から厚い支持を得ている。そんな山咲さんの感受性の鋭さと世界観に深く迫るインタビューとなった。
インタビュー前編では、新刊「美神伝心」の元となったブログ「美神伝心」を始めたきっかけ、本の執筆とブログを書くことの違い、幅広い分野で活躍されている山咲さんにとって「学び」とは?、「美神伝心」の端々から溢れる「外面だけでなく内面の大切さ」についてなど、山咲さん独自の世界観をじっくり伺いました。
(聞き手:近浦啓(クレイテプス)写真:TOMOYO / 収録:2008年2月28日)

なかなか会えないでいる友人のために始めたブログ

—新刊の「美神伝心」を読んで、男性としてもとても感動しました。本に書かれている化粧品の固有名詞などは文字を追いかけていくことで精一杯だったんですが、その行間行間にある詩的な言葉にすごく惹きつけられたんです。女性だったら、これは本当にバイブルになるだろうなと思いました。
元々山咲さんがブログの「美神伝心」を始められたきっかけはどういったことだったんですか?

なかなか会えないでいる友人のために始めました。写真を撮るのもとても好きでしたので、コンピューターで加工するのもソフトをいろいろ試して・・・。Macではイメージソフトを愛用しています。携帯からの写真ではカシオのエフェクトが優れていました。
友人の中には専業主婦の友達や、お子さんが生まれて忙しいという友達がいて、彼女達のいろんな発言の中に「女らしい気持ちになるものを読みたい」ということを感じたんです。でもお仕事として文章を書く以外に、プライベートで毎日毎日文章を書くなんて生まれて初めてでした。今現在1年半で600本ほどを書き上げています。

—これまで10冊著作を出されてますが、原稿用紙に書くこととブログに書くことではやはり感覚が違いますか?

ブログを続けていくには、どれ位の文の量がいいかと考えた時、とにかく短い方がいいのでは、と思ったんです。ただ、「単に短くては身内にしか伝わらない」と思いました。ブログをイメージした時に、そのブログの先にお花畑のようにたくさんの女性達がいるのが想像できました。そういう中で、友人以外の方にもわかる話をするためには、親しい人にしかわからないような短い文章より、丁寧に書くことを優先しました。ブログの最初の頃の文章は原稿用紙に10枚という日もありました位です。極端ですよね。今は、ブログを見に来られる方のリピート率が80%ほどで、いつも見に来てる人が来ることがほとんどですし、随分短くなっています。テーマを決めて書くのはブログも本も同じですが、ブログの方がタイムリーで、リアルなテーマを追えるような気がします。

—僕もリピーターの一人です(笑)。

ありがとうございます。

—ブログタイトルはどうやって決めたのですか?

「言わなくても通じ合う」をテーマに四字熟語の「以心伝心」から発想して「美神伝心」がひらめいたんです。今までの本もタイトルを決める時にパッと最初に浮かんだ言葉が一番良いような気がします。 直感を大切にしても、浮かんでこない時は、まだその時ではないと待つことも大切です。ブログを続けてきて、書くことがない日は友人の顔を思い浮かべてテーマを探してきました。

"大切なことは知識ではありません。
「経験」という行動力ではないでしょうか "

—山咲さんはこうした執筆だけでなく、「DJ青葉」という名義でクラブDJもなさっていて、やられていることが幅広いですよね。知識や経験、特に知識という面で、山咲さんは興味を持っているものに対してご自分で調べられたり、つきつめていかれている方のような印象をすごく受けたんですけれど、山咲さんにとって「学んでいる」という感覚は強いですか?

そうです。でも大切なことは知識ではありません。「経験」という行動力ではないでしょうか。ブログもタイプではなかったんです。でも一番自分から遠いと思っていたものをやるのが年齢が上がってきても面白い結果になるような気がします。DJも絶対ないと思ってましたけど、これもまた友人のためにという動機で始まりました。

既存の自分の中の「自分はこういう人間」だとか「世の中はこういうものだ」とか、「こうだ」と思いこんでいたものの"殻"が外れるような体験にはなりましたね。

—経験にあるものは「興味」とか「好奇心」みたいなものですか?

自分がどういう学びをするかは失敗の中からで、理想があると学びは遠いものです。また学びは、単に興味では自分勝手な世界で止まってしまいます。
自分にとっての情報の選択肢というのは、「巡り合わせ」を活かすことなんだと思います。本当に知りたいと思ったことを然るべき時に知ることができるんです。自ら知識をむさぼったりということは頭でっかちで、使えない情報で太ることになると思っています。美容にしても肌色を濃くした方がキレイだなんて気付きをブログでお知らせしたことがあったのですが、それは買い物でファンデーションの濃いものを失敗して購入したのを、そのまま生かして塗ってみたら、小顔に見えましたよ〜という発見でした。ブログで失敗談を話すのは多いです。興味は失敗から始まったりしているのです。

"時間に色が付いている感じがする "

—そうなんですね。「美神伝心」の中で「時代性」「時代」というキーワードが何回か出てきたのが、とても印象的だったんですよ。そういう感覚って大事なことだと思うんです。

不思議ですが私には、時間に色が付いている感じがするんです。「今、違う色になったぞ」と感じる日があります。今日から好景気になったとか、今日から女の子の洋服が活発に売れるんじゃないかとか、時代とは常に今を感じる気配のようなものです。

"物ひとつにしても感想も感動も大事にして、
そこから人と繋がる"

—今の時代ってインターネットが本当に発達して、昔では考えられないほど情報を集められるようになりましたよね。ある人が「広告が全然効かなくなった」という話をしていました。広告が効いていた時代というのは情報が少なくて行き渡らないから、テレビなどのメディアでドンと広告が出ると、皆が一気にその方向へ動くという状態だったと。ですから今、こうして情報が溢れている時に自分でどんな情報を取っていくかということはとても大事なことだと思うんです。
今回この「美神伝心」に書かれていた内容は、メンタル面ではもちろんなんですけど、「実際この物を使ってこうするのよ」という風に書かれていて、たくさんある情報の中の本当に貴重な「ガイドブック」という存在だと感じました。特に読者の皆さんは山咲さんの情報をめがけて、絶大な信頼をもってこの本を見ると思います。
男である僕自身に特にフックが掛かったところは、外面だけでなく内面の大切さも同時に語られている点です。「美神伝心」ではメイクアップの話をしていてもボディケアの話をしていても、いつも内面の話がバックに見え隠れする。そこにとても感動したんです。

内面とは外見とのセットで存在しています。16歳の時、演じる仕事をしていた時に、監督に「なぜ台詞を言うのかな?」と当たり前のことを言われたことがあったんです。当時私は、台詞を暗記して、立ち位置を決めて、カメラがどっちから撮っていて、誰かが台詞を言った後にすぐ私の台詞を言わなきゃ・・・という風に段取りはルールとしてわかったつもりでした。でも監督になぜと聞かれて「伝えるためです・・・」と答えたら、監督に「もう一回考えてきて」と言われました。
その時わかっていなかったかもしれないと気づきました。言葉の意味を表面的に言っても伝わるものはないと。台本の台詞を自分も感じているなら、経験が必要です。でもそれが無いのなら、言葉の後ろにある多くの人の経験を自らの少ない体験をもとに解釈していくのが、役の脈のとり方だと知りました。
ブログにしても商品の表面ではなくて、背景を感じていないと、紹介する時に伝わらないですね。感想を持つことは今の世の中、感受性として必要だと思います。何かを見て、「別に」とか「普通」とかしか感想がないとしたら淋しいです。できれば感動を伝えていきたいですね。物ひとつにしても感想も感動も大事にして、そこから人と繋がるのだと信じています。(次週、中編に続く)

◆ 山咲千里さんのOfficial blog "美神伝心"も毎日チェック!

美神伝心 発売!

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